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2003 February 2
特集 英語で笑いをとる!
英語落語 海外公演ツアー珍道中記

 1998年から毎年一回ずつ、落語家さん達3人と三味線の方、私の5人グループで「英語落語海外公演ツアー」を行っています。そもそも日本の笑い、落語を英語で演り世界中の人々を笑わせよう!という趣旨で始めていますから、英語で笑いをとることはお手の物!…ただし、舞台の上では。落語家さんたちは、英語落語はできても日常会話を英語でやることはできません。最近では慣れてきて、だいぶできるようになりましたが。最初の頃はツアー中に出会った人々と波乱万丈、珍会話の連続!笑われた話、笑わせた話、笑える話をいくつかここでご紹介しましょう。
 まずはアメリカツアーでのこと。カリフォルニア州のロスで公演があり、少ない自由時間をフル活用してユニバーサル・スタジオへ乗り込んだときのことです。とにかく、仕事も遊びも全力で挑むメンバーなので、楽しみ方もはんぱじゃないわけです。映画「ジョーズ」のアトラクションに乗っても、楽しまなけりゃ損とばかりに、
「ああーっ、ジョーズじゃああっっ!」
「ひええ〜、食われるう〜!」
「危ない!もうちょっとでつかまるとこや…、気いつけや」
など、さすが落語家グループ、真にせまる演技と大きなアクションで映画の世界に浸りきります。たまたま一緒に乗り合わせたアメリカ人のお客さんも、私たちのリアクションに大笑い。そこでサービス精神旺盛なかい枝くん、ジョーズの口に頭を突っ込んで、
"Kill me〜! Kill me〜!"
 ちょっと待って。それじゃあ、「殺して!私を殺して〜!」になっちゃうじゃない。ホントは、「殺されるう〜!」("It's killing me!") と言いたかったはずなのに。でも、他のお客さんは「おかしな人」として、大笑いしてました。似たようなもので、こんなのもありました。
 とにかく、ものすごく少ない時間しかなくてその中でなるべく多くのアトラクションに乗ろうとしていたので、アトラクションとアトラクションの間は、全速力です。次のアトラクションが始まりそうなところへ、猛烈にダッシュしながら「ちょっと待って〜!そのアトラクション止めといて!」と叫びながら飛び込むわけです。そんな時、鶴笑さんが走りながら
"Stop! Stop me〜!"
「止めて!私を止めて〜!」またまたー。止まりたきゃ、勝手に止まれ!と突っ込みたくなるようなアクション&セリフ。他のお客さんにはまたしても「おかしな人」として、大笑いされてました。"Wait!" "Stop it!"でよかったんですけどね。
 そんな彼らが、帰りの飛行機の中で「いやー、日本に帰って日本語の落語できるやろか」
「しゃべってるうちにポロッと英語出てもうたらどないしょー」などと笑える心配をするのです。大丈夫、そんなワケなーいっ!
 でも、だんだん旅慣れてくると英語も上手になってきます。旅慣れてるんだか、慣れてないんだかよくわからないのが、彼らがよく使う "I'm locked out."(ロックアウトされちゃいました)。本当に、皆しょっちゅうやるのです。ホテルのドアはたいていオートロックですから、カギを持って出ないと閉め出されちゃいます。一人閉め出されて、廊下でボーイさんにこのセリフを言っていると、隣の部屋の誰かが「何しとんねん」と出てきて、その人も閉め出され、ワイワイやってるともう一人が「何騒いでんの?」と出てきそうになるので全員で「ストップ!出ちゃダメ!」と制する…、これ本当にあった話なのです、シンガポールで。"I'm locked out."、かなり旅慣れた今でも、皆がよく使うそして完璧にしゃべれる英語の一つです。
 なんだか、笑われた話ばかりになってしまいました。最後にオーストラリアで大いに受けた話を一つ。これは、日本に昔からある英語小噺で、日本らしさも出ているし、必ずちょっとした笑いはとれます。是非これで英語圏の人たちを笑わせてください!
 In Japanese, "Arigato" means "Thank you". I told my friend, "Remember it as alligator. Arigato, alligator, arigato, alligator..., it sounds similar." Next day, I bought him a drink. Then he said, "Hey, crocodile!"

タイ・バンコクの公演会場 ←タイ・バンコクの公演会場 Pridi Banomyong Institute の舞台そで。リハーサル中のリラックスした様子。お囃子も勢揃い。でも、この場に座布団があるのは、何かの間違いだね。
AERA AERA
AERA 2003.1.13
対話
言語、文化、年齢、性別。
あらゆる枠を超える
からこそ紡ぎ出される。
そこに広がる新たな境地。

落語が握る日本の将来

 大島希巳江・明海大学外国語学部講師 70年東京生まれ 高校在学中、米国コロラド州に1年間留学 93年コロラド州立大学ボルダー校で国際関係論を学び帰国 02年国際基督教大学大学院教育学博士

 落語を英語に翻訳し、海外で披露する。異文化コミュニケーションを研究する大島は6年前、「日本人はユーモアのセンスがない」という海外での印象を払拭するため、約300年の歴史を持つ笑いの芸・落語に目をつけた。落語のいいところは、話そのものが会話でできているところ。
「遠回しな言い方をする日本人の会話を面白おかしく見せて、笑ってもらうことで興味を持ってもらえれば」落語家3人と三味線方、司会役の大島の5人で、年1回数カ国をまわる。5回目となった2002年8月のツアーでは、初めて自作の落語を自演した。「目標は、落語がRakugoとして馴染むこと。『日本人て意外と面白い』という印象が定着するまで、継続しなければなるまい、と思っています」

大島希巳江 ←大島希巳江、自作の新作英語落語「花嫁修業」をクアラルンプールで演じる。「女」をフルに生かした作品で、おばちゃんうけが特に良い。
Cooyon Cooyon
Cooyon 月刊クーヨン 2003.1
女性はじめて物語
これぞ日本のユーモア!まいったか!

「意外」と思われる快感
「英語が苦手、ユーモアが苦手、無口」と、海外での日本人のイメージは相変わらず。そんななか、日本の伝統的な笑いである「落語」を世界へ広めようとしているのは、大島希巳江さん。1998年から年に1回、数カ国を訪れる英語落語ツアー公演のプロデューサーとして、大成功をおさめている。
「英語落語をしていていちばんおもしろいのは、やっぱりお客さんの反応ですね。ただ笑わせてうれしいということよりも、『意外』と思われること。海外の場合、お客さんはみんな、日本の笑いなんてつまらないだろう、と思って見に来るんです。何も期待していない。ところがはじまってみれば、びっくり。日本人っておもしろい!となる。わたしたちとしては『してやったり!』という気分です」
 大学で英語を教える大島さんの専門は、異文化コミュニケーション。ときには眉間にしわを寄せながら、「まじめに」ユーモアを研究している。
「コミュニケーションを円滑にする方法として、ユーモアがあります。笑いながらコミュニケーションすると、相手を受け入れやすくなるし、自分の意見も聞いてもらいやすくなるんです。だから『落語』という笑いで日本の文化を伝えることは、とても効果的なこと。海外でも、英語落語をきっかけに、日本人や日本文化に興味をもってくれるひとがたくさんいます。また、落語はほとんどが会話形式ですから、はっきりしない、あいまいな日本人の会話についても、理解してもらいやすいんですよ」
 そもそも、大島さんが英語落語をはじめたのは、所属する「国際ユーモア学会」で、はじめて発表したときのことがきっかけ。オーストラリアで行われた学会で、外国の研究者たちから、「どうせ日本人ってユーモアのセンスないじゃない」と言われ、反論できなかった。
 そこで次の年、日本人のユーモアを見せつけてやろうと探したのが、海外の "スタンダップ(Stand-up)コメディ"に対する日本独自の "シッダウン(Sit-down)コメディ"、落語だった。
「そのときの学会では、いまも一緒に活動している落語家の笑福亭鶴笑さんをアメリカまで連れていき、日本語の落語に字幕をつけて発表しました。大盛況でしたよ。でもせっかくなら、もっといい形で伝えたい、英語で落語をやりたいと思ったんです。それならば、鶴笑さんが英語を覚えるか、私が落語を覚えるかだ!ということになり、お互いに英語と落語を教え合うことになりました」
 以来、大島さんは、英語落語の制作、資金集め、公演での司会など、すべて一手に引き受けている。
 日本語のしゃれや日本独自の文化が織り込まれている落語を、おもしろさを殺さないように英語で伝えることはむずかしい。でも、英語落語を続けていくのにいちばん苦労するのは、何よりも『お金』だと言う。
「わたしが最初に英語落語の公演をはじめたのは、26歳のとき。会場費、宣伝費、渡航費、宿泊費…、何百万円とかかる資金を募るため、何枚も企画書を書いて企業をまわりました。そして、ほとんど断られながらも、なんとか費用をかき集めたんです。
 何かしたいと思っても、考えているだけでは『ゼロ』なんです。口に出さなければ、行動しなければ、誰かに伝えなければ、思ったことすら『ノーカウント(やったうちに入らない)』。
 だから英語落語についても、『やろう』と思った次の瞬間、もう鶴笑さんに電話をかけて相談していました。何かをやると決めたら、次の1秒で行動に移す。だって誰かがやった後、『わたしも前からいいと思ってたの』なんて言ったってダメ、『ノーカウント』ですからね。無理かもしれないことでも、とにかくはじめてみなくちゃ」
 英語落語には、普通の落語より何倍もの苦労がある。でも、どんなにがんばっても、誰にも知られていなければやっていないのと同じこと。どんどん広めて、定着させて、ひとつの文化として認めてもらわなければ…。目標は、オックスフォードの英語辞書に「Rakugo」が載ることだ。
とにかく何でもやってみる
「英語落語での体験が、大学でも生かせたらと思っています。英語の講義ももちろんですが、社会勉強としても。実は、大学の先生をしていると、怒鳴られたり、頭を下げたりすることがほとんどないんです。それは、あまりいいことじゃないですよね。だって、わたしがいま教えている学生たちは、卒業したらすぐに社会に出て行くひとたちです。教えるわたしが社会を知らなかったら、何のアドバイスもできませんから。 その点、落語家の世界は厳しいですね。はじめのころは何をやっても怒られました。関西の落語家さんに教わっていましたから、いつも『アホ!』って…。もう何百回言われたかわかりません。それに、公演するとなれば、頭を下げなきゃならないことだって山ほどあります」
 次にチャレンジしてみたいのは「子育て」。もし子どもができたら、英語落語の公演にも連れていって、自分の仕事を見せたいと言う。
「いま、自分のことをうまくことばで表現できない学生が多いんです。みんな英語を話せるようになりたいと言うけれど、じゃあ英語で何を話すのかと聞いてみると、その中身がない。日本の文化も知らなければ、自分の両親の仕事すら知らない。好きなことも、やりたいこともない。そんな学生がたくさんいるんです。そうなってくると、もう英語力以前の問題ですよね」
 また、女性や子どもたちには、自分のやりたいことを見つけて、もっとよくばりになってほしいと言う。
「わたし自身とてもよくばりで、いままで何もあきらめずに生きてきました。ひとつのことをするために、他の何かを犠牲にするなんて、もったいないじゃないですか。やりたいことがたくさんあるなら、そのすべてができるような方法を考えてみる。少しの工夫とアイディアがあれば、必ずできるはずですよ」

日本の笑いを世界に広める
大島希巳江さん
おおしま・きみえ●1970年生まれ。中学生のとき、第ファンだったジャッキー・チェンを何度も間近で見る機会がありながら、ことばが通じないことでコミュニケーションできないというもどかしい思いをする。そのことがきっかけで英語に興味を持ち、高校在学中に1年間アメリカへ留学。その後、再び渡米し、アメリカの大学を卒業。現在は明海大学外国語学部講師。専門分野は、社会言語学、異文化コミュニケーション、ユーモア学。日本の笑いを世界へ届けようと、若手落語家とともに年に1回の英語落語ツアーに出る。著書に「間違いだらけのカタカナ英語」(日新報道社)「知ってる単語で英会話」「英会話に役立つ基本単語のやさしいルール」(ジャパンタイムズ)「世界を笑わそ!」(研究社)共著に「辛口・英語ユーモア」(丸善ライブラリー)などがある。著書執筆のほか、NHK国際放送局「Hello From Tokyo」にも出演中。小学校からはじめた少林寺拳法は、黒帯の腕前。この仕事をしていなかったら、「強くやさしい武道家を目指していました」

マレーシア・クアラルンプール ←マレーシア・クアラルンプールの下町から。古くからある下町風景の背後に、かの有名なツインタワーがそびえ立って見える。まさに、景色が変わったなー、という感じだったのでしょう。別世界みたいで面白い。
bell bell
BELL The Lifestyle Magazine
9月号 2002 No.523

美しい才能 第十四回
日本独自の伝統ユーモア
『落語』を英訳。
世界に笑いと文化を発信して

 江戸時代から多くの人々に愛されてきた日本の伝統話芸『落語』は、日本独自のユーモアが随所に織り込まれ、聴衆を笑いの世界へと誘います。落語という伝統ユーモアが存在するにも拘わらず、海外からの日本人に対する印象は、ユーモア不足な堅物。ならば、落語を通して世界を笑わそうと一念発起。英語講師の大島希巳江さんは落語を分かりやすく英訳し、世界に向けて日本人のユーモアと文化の発信に力を注いでいます。英語落語の海外公演は、大人気。笑いは万国共通のようです。
 明海大学で英語講師を務める大島希巳江さんの専門は異文化コミュニケーション。米国留学中、実際に異文化のギャップで苦労したという大島さんが、では言語を抜きにしてコミュニケーションに必要な基本的要素は何か、を研究した結果辿り着いたのが「笑いとユーモア」だったといいます。「笑いやユーモアにはその国ならではの文化的背景が反映されていると同時に、共通の文化という前提のない会話での緊張を和らげます。ですから異文化圏とのコミュニケーションの手段として、笑いやユーモアはとても重要な役割を果たしています」と。
 そもそも大島さんが英語を学ぶきっかけとなったのは、小学生の時に遡ります。大ファンだったジャッキー・チェンが日本ロケに訪れた際、すぐ傍にいながら英語が分からないために話すことが叶わなかった。その悔しさが英語取得の原動力になったと語ります。「英語をただ話せるようになりたいというのでは、上達しません。英語で何を話したいか、何を伝えたいかを明確にすることが大切」。
 英語講師と英語落語プロデューサー、二足の草鞋で奮闘する大島さんです。
−英語落語でのご苦労は? 「日本人としてのアイデンティティを痛感し、自分について、また自国の文化について語れなかったら意味がないと考えていた折、国際ユーモア学会でユーモアについて発表する機会を得ました。ところがユーモア不足の日本人がなぜこんな研究を、という質問が殺到したのです。それならばと翌1997年プロの落語家と共に学会を訪れ、字幕をつけて落語を発表したところ今度は大ウケ、大喝采でした。これで終わらせるのは勿体ないと、落語を英訳しての海外ツアーを思い立ったわけですが、直訳しても洒落や面白さは伝わらない。風俗などもしっかり理解していないと訳が出てこないので、自分でも驚くほど日本のことを学ぶようになりました」
−落語家の方も大変ですね。 「現在プロ4名の落語家と三味線の方と共に海外を回っています。皆チャレンジ精神旺盛な変わり者(笑)。初めの頃は英語を丸暗記するだけで精一杯だった彼等も猛特訓の末、今では英語を日常会話に応用できるまでに。自分の喋りでお客様を笑わせたいというモチベーションが強く影響しているのだと思います。この活動を教育の場でも生かしたいですね」

「シンガポール公演でいただいた楯は、いい記念になりました」と大島さん。米国、オーストラリアでも大喝采を浴び、日本文化のグローバル発信として話題に。

かい枝 ←デジカメで撮った己の姿をチェーック!それにして、かい枝くんの頭は年々ハデになっていきますね。
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Copyright 2002 Kimie Oshima