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朝日中学生ウィークリー 2006年9月17日
日本のユーモア、英語落語で伝える
大島希巳江さん(文京学院大学助教授)
  英語落語の海外公演を始めるきっかけになったのは、 1996年にオーストラリアで開かれた国際ユーモア学会でした。日本人はまじめで勤勉というイメージと平行して、笑わない・つまらない・冗談を言わないといった印象が強いんですね。それで学会中、私に「日本人は笑うのか」「日本は人前で笑っていけない社会なのか」といった質問が集中したんです。もちろん日本人だって笑いますよって答えると、「たとえば、何を言って笑っているの」とたずねられて困ってしまったんです。
  実は日本人の笑いって、内輪うけが圧倒的に多いんですね。二歩人同士でもグループ以外の人にはつまらなかったりします。答えに詰まると、「ほら、やっぱり」って言われたことが悔しくて、来年の学会までに日本のユーモアを持ってくるからと約束したんです。
  帰国後、プロの芸なら万人向けに作られているので国外でも通用するのではと、漫才や漫談、コントなどを考えました。でも、漫才などは洋服でやっていることから欧米のまねと思われてしまう。日本人オリジナルの笑いだってことをスタイルから納得させる意味でも、落語が良かったんです。狂言も考えてみたのですが、使われている言葉も一般的ではないですからね。
  落語を英語に翻訳するのは大変なんですが、本当の壁は言語の部分じゃないと感じます。昨年、公演に行ったブルネイは信仰のあついイスラム教国で、やってはいけないことがあまりに多いんです。たとえば、ひじ・ひざを出してはいけないとか、お酒が一切だめで、落語の中に「いっぱい飲んでいく」というセリフがあってもいけない。そんなブルネイでも、(代金を数えているときに時間を聞いて、うどん代をごまかす)「時うどん」のような話はうけましたね。
  国によって笑うところも違います。そんなに面白くない前半部分でも大受けして、なんでそんなに面白いのか不思議に思うことがあります。また、思ってもいないところで笑われて、逆に笑うべきセリフを聞いてもらえなかったこともあります。でも、一番困ったのはフィリピンですね。落語の最中にお客さんが話しかけてくるんです(笑)。頭の鈍い男の話をしていると、子供が手を上げて「Why is he so stupid?」(どうして、彼はそんなにバカなの?)なんて、次々に「Why?Why?」(どうして?どうして?)ってたずねられました。=つづく

朝日中学生ウィークリー 2006年9月24日
失敗して面白いネタ増やして利用
大島希巳江さん(文京学院大学助教授)
  英語を勉強する上で、モチベーションが重要だと思いますね。一緒に海外公演に行った落語家も最初は英語がまったくだめでした。落語家はお客さんに笑って欲しいと思っています。教えるときに「このセリフは笑いどころだから間違えないでね」「ここで間をおいたらドーンと笑いがくるから」など、笑って欲しいという思いを学習するモチベーションに利用したんです。私が感じるのは、英語をしゃべりたい・英語をうまくなりたいと思っている人よりも、英語で○○をしたいという人の方が上達すると思いますね。
  外国人の雑談を理解できたらいいなと思っている人もいるかもしれません。でも、どうでもいい日常会話ほど、いざ話したり聞いたりするのが難しいんです。むしろ、自分の興味のあることなら、内容が分かっているので理解しやすい。サッカーの好きな子ならイギリス人とサッカーの話ができると思いますね。それに好きなことだから知らない単語も覚えてしまう。だから、中学生には英語を勉強すると同時に、得意分野を作って欲しいですね。その得意分野を英語で勉強すれば、英語力は自然とついてきます。
  よく大学生から留学前に準備しておくことをたずねられます。私が勧めるのは、自分の失敗談を2つ、3つ用意すること。人は面白い話を聞きたいという欲求があると思います。面白い話ができる人は第一印象もいいんです。でも、急に面白い話を話そうと思ってもいえないもの。落語を覚えるのもいいですが、ふだん私たちがわらっているのは失敗談が多いんです。だから自分の失敗談を英語で書き出して、それをしっかり覚える。そのときに気をつけるのは、シンプルな英語を使うこと。面白い話はパッと聞いてパッと分からないと笑えませんからね。
  それに、中学時代はいっぱい失敗した方がいい。たくさん間違えるほど、面白い話のネタも増えますからね(笑)。私が好きな言葉に「It's not a laughing matter, but laughing matters.」があります。a laughing matter は「どうでもいいこと・笑い事」、後半の matters は「重要である」という意味の動詞で、「笑い事じゃありません、笑うことは大事です」といった意味。笑いは人間関係をすばやく近づけてくれます。それを英語の勉強にも利用した方がいいですよ。

カラチ →2006年、カラチのパキスタン・カーペット店でお買い物。あさ吉ちゃんと二人で2枚買うから、とがんばって値切ってみた。気のいいお店のおじちゃんと、商談成立の記念撮影!



 

生産性新聞 2006年10月15日
ビジネスにおけるユーモアの効用
  日本では、ユーモアという言葉にあまりピンとこないかもしれない。どちらかというと、同様の意味を笑いという言葉で表現することのほうが多いように思う。しかし、それはユーモアに当てはまる日本語がないだけであって、本来英語では「笑い」と「ユーモア」は全く別のものであると考えられている。笑いとは、実際に口の両端を上げて目とまゆを下げ、口を大きくあけて腹筋運動を伴いながら声を立てる、喜びや楽しみの感情表現である。それに対して、ユーモアは必ずしも笑いを生じさせるとは限らない。ユーモアとは「社会常識や期待される言動から逸脱すること」と英語圏では定義されている。常識の枠組みから少しだけズレることが結果として面白いと感じられるということである。それぞれの国や地域ではその社会や文化圏での常識が異なるため、諸外国のユーモアはお互いに理解しにくいのである。
  日本では笑いは遊びの一部であると考えられているが、欧米諸国や多民族・多文化社会ではユーモアのステイタスは高い。ユーモアのある人間は発想が豊かで考え方に柔軟性がある。そのため、社会においても企業や組織においても環境の変化に強く、チームワークのあるリーダー的存在として尊重される。さらに、表現力が豊かで相手を説得する力にも長けており、そのためユーモア度の高い人ほど営業成績も良いという調査結果もある。ストレスを溜めにくいというのもユーモアある人の特徴で、そのため健康を維持する能力が高いと認められている。以上の理由から、欧米の多くの企業では採用試験でユーモア度を測るということを実践している。
  さらにはユーモア・コンサルタントという職業まで存在し、彼らは解決困難な問題に対して普通では考えられない切り口から解決策を提案している。例えば、いくら催促をしてもなかなか支払いをしてくれない顧客を抱えてるクレジットカード会社があった。これ以上ただ催促をしても、顧客との関係が悪くなるばかりである。そこでこの会社ではこのようなゴム印を作って、次回からの催促状に押して出した。「ワタシハ コンピュータデス。アナタガ シハライヲ シテイナイコトハ ワタシシカ シリマセン。ジカイハ ニンゲンニ イイツケマスヨ。」これを見た顧客の多くはそのユーモアに笑い出し、すんなり支払いをしてくれるようになったという。このカード会社では、この5ドルのゴム印一つで5万ドルほどの回収に成功したとしている。これ以外の方法で、顧客との関係を壊さずにこれだけ支払いを回収する方法があっただろうか。ただし、文化の異なる日本でまったく同じ方法が有効であるとは限らない。やはり日本では日本らしいやり方が必要であると思われる。
  ユーモア力を向上させるのに、普段からできることをここにいくつか提案する。柔軟性を高めるためには、言葉遊びやなぞなぞを解いてみるといい。ばかばかしいと思えばそれまでであるが、普段思いつかない意外な切り口や問題解決策が見えるようになってくる。また、ユーモアある表現力を身に付けるには、目の前にあるソファーやテーブルの色や観葉植物の形を何通りもの比喩表現で表す練習をしてみる。周りの人から「なるほど、上手い表現するね」という共感と笑いが得られれば成功である。「黄色いソファー」では面白みも工夫もない。「一つ150円の地鶏卵の黄身のような黄色いソファー」という表現がその色を表すのに適切であれば、共感が得られ比喩として成り立つ。
  最後に、具体的に職場にユーモアある環境をもたらたすための小道具を紹介する。職場環境を変えずに、ある日いきなり面白おかしいスピーチをしてみても、笑っていい環境ができていない限り、周りは笑えない。まずは、環境作りが重要である。最近ではホームセンターのような店にもある、サインプレートの売り場を見てみて欲しい。バラエティ豊かな「営業中」「お手洗いはこちら」のようなサインプレートが溢れている。その中で、これを自分の机に置いておいたら面白いだろう、みんなが話しかけやすくなるだろう、と思われるものをじっくりと選んでみてはいかがだろうか。
  とっつきにくい仏頂面をした上司であれば「猛犬注意」、明日からしばらく休暇をとるのであれば机の上に「故障中」、社員が入りやすくするためには社長室のドアに「受付」、忙しくて机を離れていることが多い人は「好評に付き品切れ中」、などさまざまな状況に合わせて使える。まずはこのような小道具が散りばめられている職場を作り、よりリラックスしたユーモアある環境づくりをすることから始めてはいかがだろうか。

蛇使い →2006年パキスタン・カラチの海辺で見かけた蛇使いの大道芸!本物のコブラがおじさんの笛の音に合わせて怒る怒る!マングースとの闘いも見せてくれると言っていたけど、それはさすがにお断りした。左に立っているのがマングース使いのお兄さん。

埼玉新聞 2006年10月17日火曜日
健康に「笑い」重要 大島氏が効果語る
 
埼玉政経懇話会の十月例会が十六日、さいたま市の大宮ラフォーレ清水園で開かれた。文京学院大学助教授の大島希巳江氏が「笑いとコミュニケーション」をテーマに講演し、「健康や円滑な対人関係を保つには、笑いとユーモアは非常に重要」と話した。大島氏は社会言語学や異文化コミュニケーション、英語教育の笑いとユーモアの効果などを専門的に研究史、英語落語の海外公演をプロデュースするなど意欲的に活動。著書に「間違いだらけのカタカナ英語」「英語落語」などがある。
  大島氏は、笑顔は殴りにくく仏頂面は殴りやすいという実験例を挙げ「笑顔でいれば攻撃を受けず、自分を守ることができる」と主張。さらに、医学的な面から「笑うとストレスが解消できるだけでなく、自然治癒の細胞が活性化して免疫力が高まる。一日二十分笑えば病気を防げると言われている」と笑いが健康にもたらす効果を述べた。
  このほか、ユーモラスな切り口から問題を解決するユーモアコンサルタントの活躍事例などを紹介。会場からはしばしば笑いが漏れていた。

新潟新聞 2006年7月25日火曜日
毎日20分は笑おう
 
大島氏は「笑いはより良い人間関係をつくり出す」などと述べた。一、人間関係のストレスを解消するために人は「笑う」ことができる。笑ったときの表情は他人から攻撃されにくい。人は笑うことによって健康を維持できる。悪い細胞を食べてくれるNK(ナチュラルキラー)細胞は笑うことで活性化する。ほおの筋肉をしっかり動かして笑う訓練をするといい。一日二十分笑うことが望ましい。一、米国などではユーモアコンサルタントといわれる職業が成立している。「夫婦げんかを止めるために警官がウサギの着ぐるみを着ていく」など遊び心や柔軟性を持った解決方法を提示する。ある会社の営業部門でユーモア度が高い人ほど成績が良いというデータが出たことからも、仕事とユーモアにはなんらかの関係があるといえる。
  一、私は日本人の笑いを外国に紹介しようと、十年ほど前から英語落語を続けている。外国人客には見方を説明するなど工夫した。受ける場面は日本と違うこともあるが 、好意的に受け入れられ、日本文化を広めるのに役立っていると思う。

山梨日日新聞 2006年7月28日金曜日
笑いでよい人間関係を 大島希巳江氏が公演
 
山梨政経懇話会は二十七日、甲府・古名屋ホテルで例会を開き、文京学院大学助教授の大島希巳江氏の「笑いとコミュニケーション」と題する講演を聴いた。大島氏は「笑いは人間だけのストレス解消法で、健康維持にもつながる」と語り、割りばしを使った笑顔の練習法を紹介。「笑いやユーモアは和やかな人間関係をつくり、他人から攻撃されにくくなる効果がある」と話した。講演趣旨は次の通り。
  一、野生動物は敵に遭遇するとストレスを感じ、解消法は逃走か攻撃しかない。「笑い」は人間だけのストレス解消法。笑うことで精神、肉体の健康が維持される。免疫を担う「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」は笑うことで活性され、一日二十分笑えば十分なNK細胞がつくられるという研究成果もある。女性は男性より30%多く笑うので、男性は意識して笑って欲しい。
  一、好意を持つ相手と同じしぐさをすることを「ミラーリング」という。「似たもの夫婦」はミラーリングの結果といわれ、相手の表情をまねるうちに、顔の筋肉の付き方が似てくる。
  一、正しい笑顔はほおが上がり、目が三日月になる。ほおの筋肉は衰えやすいが、上下の前歯が一直線になるように割りばしを横にくわえて、ほおを上げる動作を繰り返せば、鍛えられる。割りばしトレーニングには、あごの位置や姿勢を正す効果もある。
  一、米、豪では、変わった切り口から問題解決を図る「ユーモア・コンサルタント」が活躍する。 サンフランシスコ警察では、夫婦げんかの仲裁に向かう警察官がウサギの着ぐるみを着て相手の怒りをそぎ、受傷事故を減らしている。ユーモアを受け止める土壌も大切だが、わずかな工夫で和やかな環境がつくれる。
  一、笑顔の人は言葉や暴力で攻撃されにくく、相手の敵対心を失わせる。日本人は「冗談を言わない、笑わない」とのイメージが定着しているので攻撃されやすい。英語落語の海外公演を続けているが、笑いを通じて外国人が日本文化を理解するきっかけにしたい。

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Copyright 2002 Kimie Oshima