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NHKラジオ ものしり英語塾 2006年5月
英語で楽しむ落語 その1〜その3
 今回3週にわたってゲストにお迎えした大島希巳江先生は、大学で英語を教えるかたわら、英語落語の海外公演を行っている方です。プロの落語家で英語落語をやる方と、北米、東南アジア、インド、その他多くの国々で英語落語を演じ、文化交流の架け橋となっています。日本の伝統芸能である落語を英語で演じることで、海外に向けて日本文化を発信しているわけです。
  ともすれば「経済面」だけが突出した傾向がある日本と外国との関係に、「ユーモア」という最も平和的な面を加えることは、実に意義深いことだと思います。この点でもご自身の研究テーマのひとつである「異文化コミュニケーション」を実践していらっしゃるのでしょう。この機会に我々も英語落語で日本文化を発信しようではありませんか。

西日本新聞 2006年5月9日 火曜日
ユーモアの効用力説
  西日本政経懇話会の五月例会が八日、飯塚市片島のことぶきかいかんであり、文京学院大学助教授の大島希巳江氏が「笑いとコミュニケーション」の題で講演した。海外で英語落語の公演活動を続けている大島氏は「文化の違いを埋める大きな手段が笑いだ」と、米国ではビジネスにまでなっているユーモアの効用を力説した。
  まず、大島氏は「文化の違いは、異国の人だけでなく男女間にもある」と指摘。「ちょっとした気の利いた言葉が、自分の好感度を上げる」と会話にユーモアを持たせる必要性を強調した。続けて、米国では顧客の苦情処理や職場の問題解決の切り口として多くのユーモアコンサルタント会社が活躍している実例を紹介。
「人間はストレスを解消するために笑う能力を与えられている」と体の免疫力を高めるためにも一日二十分、笑うことを勧めた。
  最後にレーガン元大統領のジョークのうまさに触れ、「他人に覚えてもらいたい重要な話ほど、ジョークを交えておもしろく話すことが大切」とアドバイスした。

シェラトン →2006年パキスタン、カラチのシェラトンホテルの部屋。さすが97%イスラム教徒の国、トイレは必ず二つある。右側の便器が手洗いできる、イスラム式のもの。



 

Link Consulting Associates 2006年6月 Vol.2
リーダーたちの人間力〜ユーモア
           文京学院大学外国語学部助教授 大島希巳江
@ユーモアとは何か@
  ユーモアとは何であるか、まずその定義について述べたい。ユーモアの定義については、これまでにも国際ユーモア学会(International Society for Humor Studies) などで多くの議論がなされてきた。しかし、Escarpitが著書 "Humor"(1963) の中で
「ユーモアを定義することの不可能性について」というタイトルで一つの章を費やしているようにそれは非常に複雑で、明白な結論を出すことは困難である。
  これまで多くの研究者がユーモアという概念を解明することに興味をもち、精神医学の父セグモント・フロイトも1928年に "Der Humor."という論文の中で、ユーモアによる快感の源を発見することを試みている。ここでは、古くから重視されている、ユーモアの不調和理論 (Incongruity Theories) を紹介したい。
  2つかそれ以上の物事が不一致、不適切、不調和で矛盾して おり、しかし特殊な状況から1つの複合体もしくは集合体として それが成り立ったり相互的な関係を成している場合、人びとが それに気がついたとき、笑いは生じる。
つまり、笑いはある社会において通常ではないこと、一般的に期待されていることから逸脱することや常識と一致しないものから発生するものであるといえる。
  ユーモアの不調和理論とは期待から逸脱することであるとしている。社会常識との不一致や矛盾が起きたときに、ユーモアは初めて生じる。ユーモアが社会や社会状況に深く関わっているのは、このためである。通常の状態、社会常識は多くの場合、過去の経験や論理的な考えに基づいている。靴を脱いで家に入ることが通常である文化圏では、何かしらの事情であわてて靴を脱がずに家へ入ってしまった状態を滑稽に思うであろう。しかし、靴を脱ぐという社会常識のない文化圏では、この状態はユーモラスであるとは考えられない。
  ユーモアが作り出される環境とは、次はこうなるだろう、これが普通だろう、と思われる期待を裏切りひねった結果が出されるときである。−中略ー
@リーダー(指導者)としての能力@
  特にアメリカでは、リーダーの能力として重要な要素のひとつにユーモアのセンスがあるといわれている。歴代のアメリカ大統領もユーモアのセンスに長けていた人が多かったし、企業のトップでもユニークで面白い試みをする人が成功している。近年アメリカのビジネス界で成功している指導者たちのほとんどは、遊び心があてユーモアを自分たちの仕事のスタイルの一部であると考えている。
  さらにユーモアのセンスは教養の有無とも深く関わっている、と考えられている。ユーモアを解するだけの知識や頭の回転、おおらかさなどは教養の高さに比例する傾向があり、リーダーの素養として重要である。ユーモアのセンスは企業で昇進する役員などの間では最も継続的な個人の特質で、ユーモアのセンスがあるマネージャーは同僚よりも早く、より上へ昇進していくということがわかっている。人の上に立つ人ほどユーモアのセンスが重要であるといわれるのはなぜだろうか。
  ユーモアのある人には柔軟性がある。精神的な柔軟性は状況の急激な変化に対応したり、リスクを背負ったり、失敗を良い方向にもっていったりすることができる。中でも柔軟性は間違えることを恐れないという精神を育てる。間違いを犯すたびに落ち込んでいては、前に進めないからである。間違いや失敗をプラスの方向に転換させることができるのは、発想力や想像力である。トーマス・エジソンは電球を発明するまでに数千種類もの異なる物質を組み合わせる実験をしているが、それはつまり、成功するまでに数千回の失敗をしているということでもある。エジソンには自分の失敗を笑い飛ばしながら前進するユーモア精神があったために、何千回もの失敗を乗り越え成功にたどりついたのだといわれている。
  恐怖や怒りのようなマイナスの感情の中では、どうしても堅苦しい考え方や行動に思考が抑制されてしまう。間違えることを恐れさせるよりも、間違いを犯しながら前進する精神を養うほうが全体としてはプラスであると考えられるのである。ユーモアのある人、精神が柔軟な人は、間違いを犯すことに対して建設的な態度でのぞむものである。彼らは失敗や間違いは成功への過程の一部であるということを知っているのである。
  アメリカのビジネスではよく「枠外で考える」というようなことが言われる。固定観念にとらわれず、自由でクリエイティブな考え方を促進するということである。いつの間にか築き上げられた常識の枠の中だけでは、際立ったアイディアはなかなか出てこないものである。そしてこれはまさにユーモアの定義として最も優勢であるユーモアの不調和理論に通じる考え方である。つまりユーモアとは期待されること、通常のことから逸脱することであり、つじつまの合わないことを楽しむことであるから、ユーモアを作り出す人は世界を普通ではない目で見ており、普通ではなかったり標準的ではなかったりする手立てをかんがえることができる人なのである。−後略−

関連記事: http://www.innovative.jp/2005/0831.html


 
 

 

南日本新聞 2006年5月30日火曜日
ユーモア介し異文化理解 
  異文化とは、言葉が通じない外国人だけではなく、日本人同士でも業種、年齢、地域、性別など、さまざまな場所に存在する身近な問題。言葉は通じても、文化が違えば誤解が生じる。その差を埋める重要な手段がユーモアや笑いだ。
  以前、英国人女性との待ち合わせに遅れたことがある。平謝りの私に、女性は「遅れてくれて、かえって楽しい思いをした。若者三人にナンパされたのよ」と話した。おそらくうそだろうが、ユーモアのある気の利いた一言に思いやりを感じた。二人で大笑いしながら、私は「この人はいい人に違いない」と実感した。笑いの提供は、相手に非常に良い印象を与える。笑顔は攻撃されにくく、仏頂面は攻撃されやすい、ということも証明されている。異文化コミュニケーションに、笑いは不可欠だ。
  笑いやユーモアは、ビジネスの世界でも力を発揮する。日本では関連が薄いと思われがちだが、個人の営業成績とユーモア度は比例するという実験結果もある。欧米には、ユーモアを切り口に問題解決するコンサルタントが存在する。また、笑いは健康にも有効で、がんを予防することも分かっている。一日二十分笑うことで、がん細胞を食べるナチュラルキラー細胞が活性化されるという。
  十年前、ある学会に参加したとき、「日本人は笑うのか」「日本人のジョークを聞いたことがない」と次々に言われた。日本人は笑わないというイメージを持たれている。つまらないということは、攻撃を受けやすい危険な状態。そこで、日本独自の笑い「落語」を、英語で世界に紹介し始めた。落語家は当初、カタカナ書きした演目の英訳を丸暗記してきた。だから、自分のタイミングでしか話せない。途中で止まると分からなくなり、最初からやり直しということになるため、落語独自の間「笑い待ち」もなかった。言葉遊びである「しゃれ」の英訳にも苦労した。
  笑いも国によって大きく異なる。欧米の笑いは“観客参加型”が主流。落語では、顔の向きを変えることで登場人物を設定し、会話を進めるが、右を向いて“Hello"というと、そちら側の観客が一斉に"Hello"と返事する。「上がっておいで」に反応して、十人ぐらいが舞台に上がってこようとしたこともあった。
  落語には日本文化がぎっしり詰まっている。日本ではなじみの深い、音を立てて麺をすするという行為は、欧米ではとても信じられないマナー。受け入れられるか不安だったが、それを省くことは、文化を包み隠すことにつながる。「空気と一緒にすすり込むことで、香りが鼻に抜ける、日本式のおいしい食べ方」と説明を加えて、理解してもらう努力を続けた。
  最近では、落語家が音を立ててすするたびに拍手喝采が起きる。笑いとともに文化を紹介することで外国人にも受け入れられた。「日本で思いっきり音を立てて食べたい」という人も増えた。
  文化の紹介は、笑いを含んでいることが重要で、面白いから理解してくれる。記憶にも残りやすい。日本文化に興味を持つきっかけになり、日本人は親しみやすいというイメージが広がればと願い、英語落語の公演を続けている。

 

パキスタンのモスク →2006年パキスタン。メッカの次、世界で二番目に大きいモスクといわれている巨大建造物。確かに、中は数万人が一度に入れるほど広かった!
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Copyright 2002 Kimie Oshima