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2005年10月号 NHK英語でしゃべらナイト
「ひとひねり英語マスター術」

Rakugo 落語 英語で世界を笑わす術
訳すコツは登場人物になりきること
 普通のスピーチとは違い、落語はお客さんが笑ってくれないと意味がないし、独特の小気味いいリズムも大事。だから訳すときは、まず登場人物になりきって日本語でしゃべってみましょう。次にそのままの雰囲気で同じセリフを英語でしゃべると、しっくりくるかどうかがわかりますよ。 思い切った省略やアレンジも重要です。

2005年9月5日 STEP英語情報 
"Rakugo"が英英辞典に載る日を目指して

日本文化を発信せよ!英語落語の伝道師 −大島希巳江
 
7月16日。場所は東京銀座のヤマハホール。この日、日本の古典芸能落語を英語で演じるイベントが開催された。外国人のお客さんが数多く集まる会場で、林家彦いち、桂あさ吉らが次々に英語で落語を繰り広げていく。その中に落語家ではないのにひときわ笑いを集める一人の女性がいた。この人こそ英語落語のプロデューサー、大島希巳江さんである。この日の演目は古典落語の名作「皿屋敷」。綺麗な発音で、アレンジを加えながら次々に笑いをとっていく。繰り返すが、この人はプロの落語家ではない。本職は大学の先生である。
  「専門は社会言語学と異文化コミュニケーションです。コミュニケーションの中でユーモアが果たす役割や、社会の潤滑油としてのユーモアの重要性などを主に研究しています」と語る大島さんが英語落語を始めたきっかけは1996年の国際ユーモア学会だ。「学会自体は数千人規模ですが、日本では一般にユーモアを研究対象としてとらえないので、日本人の参加者は私を含めて二人だけでした。そこで社会言語学の立場からユーモアに関する発表をしたんですけど、そのとき各国の方々から『日本人にはユーモアがない。笑わないし、つまらないし、ジョークを言わない』と言われました。それで日本のユーモアについて研究してみようということで始めたのが英語落語なんです。」
  当初の役割はプロの落語家への英語の指導だったが、1998年から自らもステージに上がるようになる。「英語圏の国で公演をするときは落語家さんたちの日本人らしい英語がむしろ笑いをさそってうけるんですが、タイやマレーシアなど非英語圏の国ではよりネイティブに近い、聞きやすい英語が求められるんですよ。また落語家って女性が少ないんですよ。男性の演者ばかりだと『なんだ、やっぱり日本って女性の地位が低いのか』って思われちゃうじゃないですか。そういった理由で高座にあがることになりました。」
日本の落語は世界に通じる!

  大島さんにプロの落語家数名を加えて初めて海外(アメリカ)で公演を行ったのは1998年のことだ。このアメリカ公演を皮切りに、現在まで10カ国以上でこうえんを行っている。場所もシンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、オーストラリア、カナダ、ノルウェイと実に幅広い。「国ごとに多少反応に違いがありますね。西洋の方が笑い出すのが早いです。オチの前に笑っちゃいますからね。ユーモアを早く理解することが賢さの象徴なんですよ。だからオチを予想して先に笑い出しますね。ありがたいことに今のところ受けなかった国はないですね。古典落語って300年くらい前に出来上がっているんです。ということは300年前の日本人も100年前の日本人も現代の日本人も同じ話で笑っているわけですよ。そんな風にいつの時代の人も笑わせてきた話は普遍性があるんです。だからどの国の人も笑わせることができるんです。そういった話は世界に紹介していかないと。落語を聞いたお客さんは『日本文化ってすごい』って言いますよ。『これだけよくできた笑い話が昔からあるってすごい』って。」
  舞台で演じる落語を英語に翻訳するのは大島さんの仕事だ。「『英語になってもつまらなくならないように』ということを常に気をつけています。難しいのはシャレをどうするかですよ。英語のシャレを作って入れるか、そこは飛ばして別のところで笑いをとるかですよね。」

 

2005年秋号 ダーナ
Communication「あなたの笑顔、目が笑っていますか?」
文京学院大学講師 大島希巳江
  コミュニケーションをとる上で、相手に好印象を与えるのは、なんといっても笑顔です。普段、よく笑っている人は、目の下にある頬の筋肉が、笑ったときに目を下から押し上げるので、目が三日月のようになってステキな笑顔になります。ところが、「顔は笑っていても目が笑っていない」という表現がありますが、本心から笑っていても、相手からはそう思われない人もいます。
  笑顔を作っているのに、なぜ目が笑っていないのでしょうか?それは、目の下にある頬骨の周りの筋肉が、鍛えられていないからです。顔の筋肉は体の筋肉に比べてとても小さく、衰えやすいものです。普段、無表情で生活をしていると、あっという間に頬の筋肉は衰えてしまいます。すると、笑っても頬骨の上の筋肉は盛り上がりませんから、目を下から押し上げてくれないのです。
  今日から早速、頬の筋肉を鍛えるトレーニングをしましょう。新しい割り箸を用意してください。割らないままペンで真ん中に縦にまっすぐ一本線を引きます。割り箸を横に持ち、その線の延長線上に上の前歯と下の前歯の真ん中がくるように割り箸をくわえます。これは、あごが左右にずれている人が多く、上下の前歯がそろうように割り箸をくわえることで、矯正していくことができるからです。
  割り箸をくわえたら、そのまま口の端へ押し付けます。口の端に割り箸があたって、少し疲れる感じになると思います。そのままの姿勢で、両頬の筋肉に力を入れて頬をぐいっと上に上げてください。このとき、手を箸から離してもかまいません。最初は上がらなくても、毎日2週間ほど続ければ、必ず頬の筋肉を動かすことができるようになります。一日、ほんの1分で構わないので、是非やってみてください。

ブルネイの学生さん →ブルネイで公演の後、多くの学生さんがサインを求めてきた。なんとブルネイで配布されたプログラム(現地スタッフ製作)には出演者のサインをもらうためのページが用意されていたのだ。

教育現場に"Rakugo"を
  落語という日本文化を最前線で海外に発信している大島さんは「日本のことを英語で語れる」ことの重要性を痛感している一人だ。「様々な国の人が集まる中に日本人がいたら、みんなは日本のことを話してほしいと思うわけですよ。私たちだってこの場にスペイン人がいたら『スペインってどんな国?』って聞きたいですよね。もしそのスペイン人が英語は得意で他の国のことはペラペラ話せても、自国のことを何も話せなかったら意味がないですよ。同じように日本人も日本のことを英語で話せなければ、国際的な場面では意味がないんです。やはり自己アイデンティティを持っていなければ異文化コミュニケーションは無理ですよ。異文化コミュニケーションって聞くと他の国の文化や言語を勉強することだと思われがちですが、それだけでは成り立たないんです。」
  さらに大島さんは語る。「中高生には常に英語の『持ちネタ』をもっていてもらいたいですね。外国人を笑わせる小噺です。外国人と接するときに『日本にはこんなジョークがあるんだけど知ってる?』という具合に使って欲しいですね。結局、英語で会話していても相手に通じたのかどうか実感しにくいじゃないですか。でも笑い話の場合は相手が笑えば100%通じてます。『通じた!』っていう実感がすごくあるので、自信につながります。そうやって中高生にも『日本人は実は面白い』っていうイメージを広めてもらいたいですね。『ALTの先生を笑わしたれ!』という気持ちでいいと思うんですよ。今大学で『英語落語』の授業をしているんですけど、学生が英語の落語を覚えるのは早いですよ。普通の文章を覚えさせようとしたら、すごく時間がかかるんですけど、小噺はすぐに覚えますね。発表前にはみんな勝手にネイティブつかまえて練習してきますよ。またリスニングにしても笑い話を英語で聞かせると、学生の集中力が違いますよ。やっぱり『笑いどころで笑わなきゃ』って思うんでしょうね。」
落語を通して日本人のイメージを変えたい
 
「『日本人は面白くない』っていうのは、ものすごいネガティブイメージなんですよ。そういったものを変えていきたいですね。私の目標は"Rakugo"が英英辞典に載ることです。"Rakugo"を英語として定着させたいんです。言葉が海外に出て行くときって、その言葉にくっついているイメージも一緒に普及していくんですよ。例えば"sushi"には『日本印は健康食を食べてきた』ってイメージが付随しますよね。同じように"Rakugo"って言葉が普及すれば、『日本人は面白くない』っていうイメージも壊せると思うんですよ。だから私は敢えて『落語』という言葉は訳さず、そのまま"Rakugo"として紹介しています。『日本人って結構面白いよ。だって"Rakugo"ってあるじゃない』みたいな会話を世界のどこかでしてもらいたいですね。」


 

2005年(平成17年)8月4日(木曜日)東京新聞
笑う顔には幸来る 英語落語 ユーモアが分かり平和好き
日本人像を一新

・英語が苦手
・人前で話すのも苦手
・何よりユーモアがない
  これらは、英語圏を中心に海外の人が抱く日本人の典型的イメージという。悔しいけれど、反論できないような・・・。「えー、その三つをいっぺんにやろうってんですから、私たちはなんて器用な日本人なんでしょう?」
  アメリカで、オーストラリアで、アジア諸国で、和服姿の落語家が高座から英語で話しかけると、会場は笑いに包まれる。仕掛け人の文京学院大外国語学部講師の大島希巳江さんと、笑福
亭鶴笑さん、桂かい枝さん、桂あさ吉さんらプロの噺家による「英語落語」だ。
  1997年から毎年海外で寄席を開き、今年はインド、スリランカ、来年はパキスタンで公演する。「スシやカラオケと同じように『ラクゴ』が国際語になる日を夢見ています」と大島さん。でも、落語が外国で理解されるのだろうか。「落語の歴史は三百年以上。アメリカ建国より古いんです。時代を越えた古典落語は世界に通用します」
  海外公演の定番に、上方落語の「時うどん」がある。「ごちそうさん、うどん屋。一文ずつ払うぞ。一つ、二つ、三つ・・・七つ、八つ。今、何時だい?」「えー、九つ」「十、十一、十二・・・」ずる賢い客が代金をごまかし、それを見ていた間抜けな男が翌日、別のうどん屋でまねをして失敗する。そのオチは英語で次のようになる。「ワン、ツー、スリー・・・セブン、エイト。オウ、ヌードルマン。ホワッタイム・イズ・イット・ナウ?」「イッツ・ファイブ」「シックス、セブン、エイト・・・」
  どの国でも性別や年齢に関係なく爆笑という。他にも『つぼ算』『いらち車』『禁酒番屋』などを披露。観客たちが立ち上がって拍手するスタンディング・オベーションも受けた。「笑いを理解できるほど賢いという風潮の欧米では、観客がオチを予測して先を競うように笑う。人の話を最後まで聞く意識の強いアジアの観客は、オチが終わってから一斉に笑いますね」大島さんは異文化コミュニケーションが専門で各国のユーモアも研究。大学で英語落語の高座、いや講座も持つ。「笑うリカちゃん人形」が限定製作された際に「笑顔アドバイザー」を務めた経歴も。

ブルネイ公演スタッフと →ブルネイ公演の後、スタッフと演劇学校の学生さんと記念撮影。ブルネイの人たちはみんな、とても礼儀正しい。
  96年、オーストラリアの国際ユーモア学会に参加した時、「日本人にもユーモアがあるの?」と尋ねられ、つい「来年の学会で証明する」と約束した。漫才は、立って漫談をする欧米の「スタンダップ・コメディ」に似ている。ならば世界で唯一、座って芸をする「シッダウン・コメディ」。当時、英語落語に取り組んでいた桂枝雀師匠を通じ、有志が集まった。寄席に行ったことが無かった大島さんの訳を、落語家が丸暗記をして演じた。 
  大島さんも高座に出る。「日本女性はヤマトナデシコ」のイメージを覆す新作を持つ。「仕事やってらんないよ」と酒の席でくだを巻く人がいる。話が進むと男ではなく実は女。さらに「うちのダーリンが」と話すが、自宅に戻ると犬だった。こんな調子で現代日本女性の一面を表現する。
  最近は「英語教育に効果がある」と国内での依頼が増えた。会話形式で進む落語は英会話のモデルになり、「何とか笑おう」と集中力が高まるからだ。
  海外公演を希望した落語家は当初多かったが、残ったのは数人だけ。才能より「外国人を笑わせたい」という意思の違いだという。「噺家の皆さんは年々、英語が上達してます。英語能力テストなら八百点の人より上ですよ」。なるほど、「英語を話したい熱意」以上に「英語で話したい何かを持っていること」が大事なのか
  欧米では初対面で交わすジョークをアイスブレーカー(氷を溶かす)と呼ぶ。人種や宗教が異なるため、笑いで敵意が無いことを示す。だから「笑おうとしない」態度は、それだけで攻撃的に見えるという。日本人が「何を考えているか分からない」と思われやすい一因かもしれない。「これ、ずーっとやったらノーベル平和賞もらえるかもしれんよ、大島さん」。英語落語を始めた当初、枝雀師匠に言われた言葉だ。師匠は六年前に亡くなったが、その言葉は生き続けている。大島さんが真剣な表情で語る。「海外公演で、いつも思うんです。この日出会ったこの人たちと、戦争をすることはないだろう。国同士でそんな動きが起きても反対してくれるだろうって」
  「ラクゴ」が国際語になる時、日本人の新しいイメージも世界に広がっているだろう。「日本人って、ユーモアの分かる、平和の好きな人たちだよね」
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Copyright 2002 Kimie Oshima